これから夏にかけて、最強の昆虫と呼ばれるスズメバチの活動が活発となる季節になってきますが、スズメバチの生態や天敵を知ることによって上手に付き合っていく方法を教えます。
スズメバチの種類と個性について
まずは日本に住むスズメバチの種類を紹介しましょう。
日本に住むスズメバチは、以下の4つのグループに分けられています。
「スズメバチ属」
「ヤミスズメバチ属」
「クロスズメバチ属」
「ホオナガスズメバチ属」
私たちが普段よく目にするスズメバチは、これらの中で一番危険なグループに属する「スズメバチ属」のハチです。
数箇所刺しただけで人間の命さえも簡単に奪ってしまうという、体長およそ4~5センチほどの大きなオオスズメバチを筆頭に、ヒメスズメバチ、キイロスズメバチ、モンスズメバチ、コガタスズメバチ、ツマグロスズメバチ、チャイロスズメバチが「スズメバチ属」のスズメバチです。
スズメバチの中でも一番凶暴といわれるのはやはり「オオスズメバチ」です。
作る巣の規模、人間までをも一撃してしまう攻撃力、強い毒の量はスズメバチ最大級です。
もう顔が怖いですね汗・・・
逆に一番おとなしいのが「ヒメスズメバチ」
全国に生息するのが「コガタスズメバチ」
気性が激しく、人家の見える場所に巣を作る「キイロスズメバチ」
夜でも活発に活動する「モンスズメバチ」
他のスズメバチの巣をのっとってしまう「チャイロスズメバチ」。
沖縄や熱帯地域に生息する「ツマグロスズメバチ」。
森林や畑、河川の土手などに巣を作る「クロスズメバチ」など、その種類も個性もさまざまですが、
いずれも人間を刺すという凶暴性を持っていますので注意が必要です。
一口にハチといっても様々な種類がいます。
スズメバチの生態は?
スズメバチは、木や土の中、人家の屋根裏、軒下、壁の隙間など、あらゆる空間に巣を作ります。
花の花粉や蜜のみを餌にするミツバチと違い、スズメバチは花粉や樹液の他に、他の昆虫などを餌にします。
特に、世界最大級の狩り蜂である「オオスズメバチ」は、カマキリやコガネムシなどの大きな昆虫を餌にします。
昆虫が減ってくると、ミツバチ、別のスズメバチの幼虫やさなぎを幼虫の餌にします。
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スズメバチは種類によって違いはありますが、5~6月頃から羽化し、9月~10月が活動のピークとなります。
種類によっては12月まで稼動するものもあります。
スズメバチの天敵
スズメバチの天敵は、主に野鳥や熊ですが、中でも鷹の一種でもある「ハチクマ」という鳥は、スズメバチの巣を攻撃して巣盤を持ち帰りひな鳥の餌としています。
ハチクマの羽は非常に硬く、スズメバチの毒針も全く突き刺さらないといわれます。
顔も鷹だけあって精悍な顔付きです。
スズメバチは冬を越せる?
スズメバチで越冬できるのは女王蜂のみです。
晩秋、交尾を終えた女王蜂候補の雌バチは朽ち木などの中で冬を越します。
雄バチや働きバチは全て初冬に死んでしまいます。
翌春、雌バチはたった一頭で巣を作ります。
なぜ売れる?スズメバチの巣
スズメバチの巣が売れるのには理由があります。
漢方では、スズメバチの巣は薬の原料として貴重なものとして扱われています。
鎮静作用、殺菌解毒作用があるといわれています。
スズメバチの駆除
スズメバチの駆除は、自治体や専門業者に依頼することが望ましいのですが、市町村によってはスズメバチの駆除をしていないところもあります。
専門業者は巣の大きさによって金額も変わりますが、やはり高額なのがネックといえます。
とはいえ、スズメバチは大群で襲ってきますし、専門業者でさえ刺されるのですから、素人駆除は大変危険です。
スズメバチ駆除は専門業者に依頼しましょう。
万一スズメバチに刺されたら
巣や縄張りの防衛意識が強いスズメバチは、自分の巣や縄張りを守るために巣に近付く人間を襲います。
最初に刺したスズメバチの毒液が、「これが攻撃する相手である」ことを仲間に知らせる目印となり、毒液に誘引されて他のハチが集まって集中攻撃を開始します。
万一刺された場合には、まずその場から離れて、傷口を流水ですすぐなどの応急処置をしてとにかく医師の治療を受けましょう。
実は人間の生活に役立つスズメバチ
凶暴で恐ろしいというイメージが強いスズメバチですが、自然界においては生態系のバランスを保つ大切な役割をします。
農業や林業では悩みのタネでもある害虫を食べてくれ、正常な作物の生成にも役立つのです。
さらには、安全性を確保しつつ、スズメバチを森林公園の害虫駆除に役立てている自治体もあります。
本来、スズメバチは人間をむやみに襲うことはしない昆虫です。
怖い怖いとスズメバチを毛嫌いするのではなく、一度スズメバチの立場に立って考えてみましょう。
スズメバチは、たとえ人家に巣を作ったとしても、通常人間の生活空間まで入り込んで来ることはありません。
人間とスズメバチがお互いに危害を加えることなく自然界で共存出来ることが一番の理想ですね。